小さな小さな日々

精神障害2級 病と親と老いを気負わず発信していきたいです。

母、抜け殻の理由(わけ)

ことり

家族、私のブログに目を通してくださった方々、いつもありがとうございます。


今年から、妹(下)ちゃんが、仕事をセーブして、甥っ子ちゃんの事、父や母、私の事なども以前より時間を割く事ができるようになりました。


去年からの、母との約束で、年が明けてしばらくして、妹(下)ちゃんが手伝って、いらない物の片付けをする事になりました。


今、妹(下)ちゃんの住んでいる家は、私たちが子供の頃住んでいた家で、隣の祖母の離れだった所に、今、両親と私が暮らしています。


妹(下)ちゃんの家には、まだ昔の家の荷物がしまってあり、また、父と母の寝室のクローゼットの中にも、着物やら何やら箪笥の肥やし的なものが押し込められていて、寝室のクローゼットは有効活用されないままでいる事が、母の長年の悩みの種でした。


母は、片付けが苦手で、特に、八十代となっては、体力的にも精神的にも難しいものがあります。

そこで、片付け上手な、妹(下)ちゃんが、時間が空いた今、断捨離を手伝う事になりました。


妹(下)ちゃんの家の空きスペースを使い、出てくるは、出てくるは、たくさんの着物や、バブルの頃の豪華本など、当時は高級品だった、今は使われなくなったものが、山と積まれています。


亡き祖母は、おしゃれ盛りの十、二十代を戦争で着の身着のままで過ごし、高度成長で景気が良くなってくると、今まで出来なかった事を取り返すかのように、祖母の兄(大叔父でしょうか)が呉服屋に勤めていたので、いい物を見繕ってくれて、祖母もお針が出来たので、作るは作るは、上等の生地の着物が何枚も出てきます。

母も、若い頃に何枚か仕立てて、結婚後は祖母のつてで着物を作りました。祖母に仕立ててもらった物もあります。

私たち姉妹が幼少の頃に来た子供の着物や、ウールの着物などもあり、見ているときれいできりがないので、私は早々に引き上げました。

祖母が孫のために作るのを楽しみにしていた、振袖は、今年、姪っ子ちゃんが着ました。幸せな振袖です。

母の訪問着は、妹(下)ちゃんが目をつけて、甥っ子ちゃんの入学式三回分のフォーマルになったと喜んで、後日試着していました。

今、母の記憶と、YouTubeの着付けの動画を見て、特訓しています。

私も着物はもういいと思っていましたが、泥大島の祖母について大叔父のいる呉服屋さんで買ってもらった、着物を洋服にリメイクしてもらうことにして、後は色無地を妹(下)ちゃんの家にある、桐の箪笥にしまってもらう事にしました。


その他に、良さそうなものを従姉妹に見せると、喜んでもらってくれました。

本当に、良いものは何に使う予定がなくても、見ると欲しくなるものです。

私は誘惑に負けないよう、なるべく見ないでおきます。


母も、上等なものや、気に入ったものは、リメイクして、洋服にして、着ています。


母と妹(下)ちゃんが片付けている時に少し覗くと、浮世絵の豪華本があって、興味を惹かれて、開いて見ましたが(結構な値段でした)、重たいの何の…。

今の私の体力でも無理です。

これが歳を重ねたら、更に体力も落ちて、本を持ち上げる事も出来ないでしょう。


なぜ、豊かな頃の豪華に作られた本は、実用性がないのでしょう。

あれは、本棚に飾って、時代の華やかさを見せるツールなのでしょうか。

母が独身時代に買った世界文学全集も、一冊がハードカバー二、三冊分の厚さがあって、ヘッセは何とか読みましたが、他は十代の私には難しかったです。

ロシア文学など、登場人物も時代背景も当時はちんぷんかんぷんです。

ちなみに母は、若い頃にたくさん本を買って、歳をとったら読もうと思っていたら、目が悪くなって読めないままで、本棚の肥やしにしました。処分しましたが。

何冊かは、私も読みました。


そんなこんなの、長年の何にもなかった時代からの豊かさの恵みの象徴の数々なので、片付けようと、見返しては、手の止まってしまうのも無理はありません。


ようやく、覚悟が決まって、妹(下)ちゃんに手伝ってもらい、いる物といらない物を仕分けして、買取屋さんがやって来ました。


押し買い、などと言う恐ろしい事件もあるので、怖いですが、大手の買取屋さんは、きちんと身分証を提示して、あたりも優しい人だったそうです。

買取が終わった後も、会社の方から、担当の人の対応の評価や困った事はなかったかと、電話で丁寧に対応してくれたそうです。


しかし、和服はどんなに上等なものでも、やはり二束三文にしかなりません。

一番高く売れたのは、昨今、高値の影響もあってか、金のネックレスでした。


そんなこんなの何十年越しの大片付けを済ませて、母はしばらくもぬけの殻状態で、ご飯を作る元気もない時が長くはありませんが、しばらくありました。

とても疲れたそうです。


後悔はしていないと言っていますが、その喪失感はいかばかりかと思います。


でも、この頃また思い悩んでいる母、貴重書類が整理できないのだそう…。

介護になっても、ヘルパーさんにはできない事ですし、弁護士さんや、司法書士さんは見る事はできますが、有料ですし、整理はしてくれないでしょう。

やはり、信頼できる妹(下)ちゃんに見てもらって、いるもの、いらないもの、保留にするものと一緒に見て、分けてもらうのが一番いいと思います。


母も、八十代なのですから、できないのなら、人の力を借りてももう良いと思います。


整理をして、お終いにするのではなく、すっきりして、片付いた、家や部屋で、心地よく、暮らしていけばいいのですから。


スノードロップです。

軽やかになって、春を楽しみたいものです。